著:内田順子(なおこ)、日系ブックストア・ボランティア
Spooooky Halloweenということで、ブックストアにあるジャパニーズホラーの本をご紹介します。「怖さ」にはかなりばらつきがありますので、わかりやすく★評価をつけてみました。


『眠れなくなる 夢十夜』阿刀田高/あさのあつこ/西加奈子/荻原浩/北村薫/谷村志穂/野中柊/道尾秀介/小池真理子/小路幸也
★☆☆☆☆ 怖い度
「怖い」というより、夢のような気味悪さ・後を引く不穏さ。夏目漱石が著した名作短編集『夢十夜』の「こんな夢を見た」という有名な書き出しから始まる、不条理で幻想的な10の夢の物語を題材・モチーフにした作品群です。10作品すべてが怖いわけでもありません。阿刀田高、西加奈子、小池真理子など人気作家10名の作品集ですので、異なる作風を読み比べるのにも良いかもしれません。

『七つの怖い扉』阿刀田高/鈴木光司/小池真理子/高橋克彦/乃南アサ/夢枕獏/宮部みゆき
★★☆☆☆ 怖い度
タイトルどおり、「怖い話」を楽しむためのアンソロジーです。日常のふとした隙間に潜む恐怖から、心理的なサスペンス、怪談風の話まで、”七つの扉”に見立てた怖い話が収録されています。中でも、鈴木光司「空に浮かぶ棺」は、映画にもなった『リング』シリーズの外伝的な作品なので、映画や原作を読んでいる方には特におすすめです。

『仄(ほの)暗い水の底から』鈴木光司
★★★☆☆ 怖い度
こちらも『リング』の著者・鈴木光司の作品。”水”と”マンション(集合住宅)”を共通のテーマにした連作ホラー短編集。築年数の経ったマンションの屋上受水槽、湿った不穏な空気、行方不明になった幼い子どもなど、ごく身近で生活感のあるシチュエーションで起こる怖い話です。表題作「仄(ほの)暗い水の底から」は2002年に黒木瞳主演で映画化され、2005年にはジェニファー・コネリー主演でハリウッド映画『ダーク・ウォーター』としてリメイクされています。

『ぼっけえ、きょうてえ』岩井志麻子
★★★★☆ 怖い度
第6回日本ホラー小説大賞受賞作(1999年)です。タイトルは岡山弁で「とても怖い」という意味だそう。幽霊だけの怖さではなく、人間の生き様や欲望の醜さ、因縁の生々しさによる「嫌な怖さ」が強い作品です。2006年に三池崇史監督によって『Imprint』というタイトルで映像化されています。アメリカのテレビ番組『マスターズ・オブ・ホラー』の一編として制作されたものの、放映が見送られたことでも話題になりました。

『独白するユニバーサル横メルカトル』平山夢明
★★★★★ 怖い度
これに限っては、自分では読むつもりがない本をご紹介しています。以前、「あなたのトラウマ本」を紹介するというオンライン読書会で、ひとりの参加者がこの本を出すやいなや、その場にいた私以外の全員が「候補に考えたけど誰かが挙げると思ってやめた」と一斉に声をあげるという場面に出くわしました。それくらい有名な、相当キツイ本らしいです。収録作「無垢の祈り」は2016年に映画化されましたが、内容が過激すぎて限定的にしか公開されていないとか。怖さのジャンルは猟奇・残酷・グロテスク。グロ系は苦手な私は一生出会うことはないなーと思っていたところ、ななんと日系ブックストアの書棚にありました。見つけたときは、よくあったなと本当に驚きました。
