日系ブックストアでいつも活動してくださっているボランティアの内田順子(なおこ)さんから、「古本屋の在庫本をぜひみなさんに紹介したい!」と素敵なご提案をいただきました。
カナダでの暮らしや読書好きならではの視点で選ばれた本は、どれも「今すぐページをめくりたくなる」魅力的なものばかり。
ここからは、「古本屋ボランティアのつぶやき」として、なおこさんご本人の言葉でたっぷり紹介していただきます!気になる一冊がないか、ぜひチェックしてみてくださいね。
それでは、なおこさんのコラムをお楽しみください。


山崎豊子『沈まぬ太陽』
『沈まぬ太陽』、全5巻セットが何組かあります。映画やドラマは知っていても、原作を読んだことがある方は意外と少ないのでは。
巨大企業の闇を描いた作品ですが、善良な人が、自分の保身や家族、出世、恐怖などを前にして、少しずつ良心を曲げていく姿が、とてもリアルで、今読んでも考えさせられる名作です。夏の読書、あるいは日の短いバンクーバーの秋冬に備えて、じっくり腰を据えて読む日本語の「紙の本」をお探しの方にぜひ。

ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』
1冊1ドルのハードカバー本の棚で、ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』を発見。もっと早くこの棚に出会いたかった…。
私は最近、この本を日本で買ってスーツケースに入れて持ってきたところです。海外に住んでいると、外国文学の日本語訳本って意外と手に入りにくいもの。新刊は高いし、少し古いとすぐ絶版になるし。
インド系アメリカ人作家のジュンパ・ラヒリは、英語で成功した後、イタリア語で創作を始めたことでも知られる、言語や文化の境界を越えて活動する作家です。海外で暮らす人には、きっとどこか共感できるところがあると思います。

ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』
文庫本でダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』上中下が数セットあります。
この本を見ると、つい翻訳にも目がいきます。日本語版を手がけた越前敏弥氏は、文芸翻訳の講師や翻訳についての著書でも有名です。
英日翻訳を勉強している方には、原文と訳文を比べながら読む教材としても面白い一冊かもしれません。ベストセラー小説を、翻訳の技術という角度から味わうのも、英語と日本語の両方に触れられる人ならではの楽しみ方だと思います。
